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GEOTECHNOS―ジオテクノス株式会社

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岩盤応力測定法

応力解放法と水圧破砕法はボーリング孔を利用する初期応力測定方法として多くの実績を有しており,世界各地で実施されています。応力解放法は完全応力解放法の一種で,岩盤に作用している初期応力場を乱し,それに応答した岩盤挙動を測定して初期応力場を決定する方法です。この方法は、ボーリング孔を利用する初期応力測定法としては最も信頼性の高い方法であるといわれています。一方,水圧破砕法はボーリング孔の一部を密閉し,その中に高圧の流体を圧入することによってボーリング孔の壁面を強制的に破壊させる方法で,一般には地表から鉛直に掘削された大深度のボーリング孔で実施されます。

1 円錐孔底ひずみ法による応力開放法

円錐孔底ひずみ法は,応力解放法の一種であり,1本のボーリング孔におけるただ1回の応力解放によって完全な3次元初期応力状態を決定できる方法です。これは熊本大学工学部資源開発工学科で開発された方法で,円錐状に整形したボーリング孔の底面に16枚あるいは24枚のひずみゲージを接着して、オーバーコアリング時のひずみを測定することにより,全方向の測定値について均一な精度が得られるようになっています。また,パイロットボーリングに使用するビットの直径とオーバーコアリングの直径が一致しているので,計測に関わる労力とコストが大幅に低減できるという大きな特長があります。

地下水開発調査での適用例(2次元解析結果)
▲円錐孔底ひずみ法による岩盤応力測定の計測システム
(a) オーバーコアリング終了時の孔底ひずみと弾性解析した孔底ひずみ分布および(b) 主応力の下半球投影図の例
▲(a) オーバーコアリング終了時の孔底ひずみと弾性解析した孔底ひずみ分布
および(b) 主応力の下半球投影図の例

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2 大深度鉛直ボーリング孔を利用しておこなう孔壁ひずみ法による応力解放法

ここで紹介するパイロット孔掘削装置(特許第3963861号)とプローブ運搬装置は,いずれもボーリングロッドの中を通して設置および回収可能であるため,深度1000mまでのボーリング孔の中にボーリングロッドを設置したままでパイロットボーリングとセンサの設置作業をおこなうことができます。したがって,作業時間を大幅に短縮できます。また,大口径ボーリング孔の壁面が常にボーリングロッドによって保護されるため,崩壊し易い地層であってもパイロット孔の中に大口径ボーリング孔からの崩壊物を浸入させません。

測定手順は以下のとおりです。

  1. 所定深度の大口径ボーリング孔掘削
  2. パイロット孔掘削装置の降下・設置(ワイヤーラインツールス)
  3. パイロット孔掘削・コア回収
  4. 測定プローブセット・パイロット孔への残置
  5. 測定プローブを含むオーバーコアリング
  6. コア回収・測定終了
孔壁ひずみセルと接続したひずみ測定プローブのパラメータ設定状況
▲孔壁ひずみセルと接続したひずみ測定プローブのパラメータ設定状況
ワイヤラインによって回収したひずみ測定プローブとオーバーコア
▲ワイヤラインによって回収したひずみ測定プローブとオーバーコア

 

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3 高剛性水圧破砕法

水圧破砕法は,まずボーリング孔の一部をゴムパッカーによって密閉します。次にその密閉区間に高圧の流体(清水)を圧入し,ボーリング孔の孔壁を強制的に破壊させ,そのときの圧力と誘起されたき裂の方向から初期応力を決定する方法です。この方法はオーバーコアリングを必要としないので,近接点から相当に深いところまで比較的容易に適用できます。また,破壊条件を観測方程式として用いるので,応力の評価に岩盤の弾性定数を必要とせず,直接に応力を測定できるという長所を有しています。応力の測定が目的であるので大きな破面を作る必要はなく,比較的簡単な装置で小規模の水圧破砕を起こすだけでボーリング孔にそった広い範囲の初期応力測定をおこなうことができます。

当社が使用する水圧破砕システムは、パッカーの上部に小型流量計を設置することによって加圧系の体積を小さくし,加圧系のコンプライアンスC(システム内の水圧を単位量だけ増加させるのに必要な水の体積)がきわめて小さくなるように設計されています。このため,き裂再開口圧を正確に測定することができます。この水圧破砕システムは,初期応力測定のほかにパルステストによる大深度岩盤の透水性測定にも使用できます。

水圧破砕法による初期応力測定手順
▲水圧破砕法による初期応力測定手順

 

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4 BABHY方式による高剛性水圧破砕法

従来の水圧破砕システムは,加圧システムのコンプライアンス (剛性)が大きすぎるためにき裂再開口圧力を精度良く測定できないという致命的な欠点がありました。しかも,水圧破砕試験の適用深度が深くなるとボーリング孔の直径も大きくなることから加圧システムも大型になるため, 例えば前述の高剛性水圧破砕法を適用しても を十分に小さくすることが原理的に難しいという問題がありました。このジレンマを解決するためにBABHY(Baby Borehole Hydro-fracturing)方式水圧破砕法(特願2005-195296)を完成させました。この方式は,電動高圧ポンプ(50MPa)とデータ記録システムをパッカーに組み込むことによって測定システムのコンプライアンスを十分に小さくし,き裂再開口圧力を高精度で測定できることができます。さらに本方式では、すべての試験装置がボーリングロッド内を通路として昇降するため,孔壁崩落などによる試験装置の抑留事故を回避できます。

深度800mボアホールでの適用例
▲BABHY方式水圧破砕法の実施手順

 

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5 コアを用いる初期応力測定法

当社では現位置測定ではなく、採取したコアを利用した初期応力測定も実施しています。 主な測定方法は、DSCA法,DRA法,AE法,ASR法,多面体試験片の弾性波速度測定です。

98面体に成形したHQボーリングコア(上左写真)およびその弾性波速度分布(上右図)
▲98面体に成形したHQボーリングコア(上左写真)
およびその弾性波速度分布(上右図)

 

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